はじめに
12月2日、毬藻企画合同会社が開催する「アクセシスタディーズ#2」にスピーカーとして登壇しました。
貴重な場にお招きいただきありがとうございました。
また、会場を貸してくださった株式会社アイスタイルのみなさま、会場設営にご協力してくださった方々、オフライン及びオンラインでイベントに参加してくださった方々、ありがとうございました。
この記事では、イベントを振り返り、感じたことや自身の学びをまとめています。また、当日使用したスライドを公開しますので、参加された方の振り返りやアクセシビリティに関心のある方の参考になれば幸いです。
スライド
今回は「障害名でラベリングせす、人を見てほしい」というテーマに、タイトルを「視覚障害者の日常」ではなく、「gamochanの日常」とさせていただきました。
イベントではスライドとともに多くの口頭説明もさせていただきました。後日アーカイブ動画が公開された場合はぜひあわせてご覧ください。
感想
ワークショップでは多くの方がロービジョン機器を体験してくださいました。体験の中で、「白杖が思ったより軽い/重い」、「ルーペが使いやすい/使いづらい」など、数えきれないほどのリアルな感想をいただきました。また、Twitterのタイムラインでも多くの感想をいただいています。どれも自分自身では忘れてしまった、あるいは感じたことのなかったものが多く、私自身も新鮮な気づきがありました。
体験をしている方から「弱視用以外の白杖を使いたいですか?」という質問をいただきました。私は軽さを理由に今後も弱視用の細い白杖を使い続けたいと考えていましたし、そうお答えしました。しかし、もしも自分が進行性の病気で視力が低下していくことがあるなら、安全を確認するためにより太い頑丈な白杖の購入を考えるでしょう。もしくは、障害があることを隠したいと思っていたら白杖を持たない選択をしていたかもしれません。自分は田舎で生まれ育ちましたが、都内で生活をしていたらまた違った支援機器に出会い、今とは違う価値観で生きていたかもしれません。
弱視の中でも先天的な視覚障害か後天的な視覚障害か、育った環境、また様々な要因によって考え方や生活の仕方は大きく異なります。これは障害者だけに起こる現象でなく、多くの人も似た経験があるのではないでしょうか。障害者ひとりの意見は、障害特性の一例に過ぎず、障害へのより深く広い理解のためには多くの人の意見を集め続ける必要があると考えています。
このブログ記事を読んでいる方は、他の弱視の方や他の障害特性のある方、違う年齢や環境など、gamochan以外の多くの方の考えをぜひ聞いてみてください。
まとめ
イベントの中で「デジタル環境であれば結構なんでもできる」とお話しました。これは、インターネットを含むデジタル環境にアクセシビリティが担保されていることが前提になります。
私は今、プロダクトのアクセシビリティを担保する仕事をしています。日々WCAGの達成基準を考えていますが、基準を達成するだけで真に良いプロダクトになるとは思っていません。ものづくりに携わる人間として、今後も自分の価値観で完結することなく多くの人と対話し、学び続けながら成長していきたいと思います。
今後もWebアクセシビリティを向上していくために自分にできることはどんどん挑戦していきます。
講演や研修、相談、アクセシビリティチェックの依頼など、何かあればTwitterのDMまでご連絡ください。